皆さんは自分ことをどのように認識しているでしょうか?
人に対して厳しい人、優しい人、それぞれいらっしゃいますよね。
もし自分が人に対して優しすぎるかもと思っている人は、ちょっと注意した方が良いかもしれません。
人に対して優しすぎる人
人に対して優しく接すること、これは人間関係を円滑にするためにも重要なことですよね。
あまり厳しくしてばかりでは、周囲から煙たがられてしまいますから。
とはいえ、人に対して優しすぎるというのも考えものなんですよね。
逆に悪意のある人たちにつけ入れられて、良いように利用されるだけになってしまう危険性もありますから。
前回の記事では、賢いギバーになりましょうということをお話しました。
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賢いギバーでいれば成功も引き寄せられますよ
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この中で"他人を信頼しすぎてもダメ"ということを書きました。
ではどのようにバランスを取っていったらよいかということについて、今回はお話していこうと思います。
ゲーム理論で最も有効だった戦略
このお話も、前回に続いてエリック・パーカー著の"残酷すぎる成功法則"という本に書かれていたものです。
まずゲーム理論というものをご存知でしょうか?
どこかでは名前は聞かれたことがあるかもしれませんよね。
その中の代表的なものに「囚人のジレンマ」というものがあります。
囚人のジレンマとはこんなお話です。
囚人のジレンマ
あなたと友人が銀行強盗をして捕まったとします。
警察は、それぞれ別の部屋で尋問するため、2人で相談することはできません。
警察から次のような取引を持ち掛けられました。
1.あなたが「友人が首謀者である」と証言し、友人が「あなたが首謀者でない」と証言すれば、友人は5年の刑であなたは釈放される
2.あなたが「友人は首謀者でない」と証言し、友人が「あなたが首謀者である」と証言すれば、あなたは5年の刑で友人は釈放される
3.あなたが「友人が首謀者である」と証言し、友人も「あなたが首謀者である」と証言すれば、二人とも3年の刑になる。
4.あなたが「友人は首謀者でない」と証言し、友人も「あなたが首謀者でない」と証言すれば、二人とも1年の刑になる。
あなたはどう証言しますか?
こういった内容のお話です。
この囚人のジレンマ、相手をどこまで信用できるかということがポイントとなってきますよね。
お互いがお互いのことを思って「首謀者でない」と証言すれば、最も刑としては軽くなります。
しかし相手のことを思って、相手を「首謀者でない」と証言したとしても、相手から裏切られてしまえば、自分だけが最も重い刑に処せられてしまう危険性もあるわけです。
本当にこれって心理戦ですよね。
これが1回限りであれば、お互いに「相手が首謀者だ」と言って、二人とも3年の刑になるのがリスクを回避した選択とされています。
しかしこれを20回するとした場合、どのような戦略が最も良いかというのを調べた人がいるのです。
それが政治学者のロバート・アクセルロッドという方です。
この繰り返し型の囚人のジレンマに対して、コンピューター・プログラムによる総当たり戦を募集したんです。
すると数学、心理学、経済学などの分野から、14種類のプログラムの応募があったそうです。
あるプログラムは、どれだけ裏切られても親切を貫き通すプログラム。
逆に「悪人戦略」として、相手を裏切り続けるというプログラムもありました。
またランダムに裏切ったり、相手の反応をうかがいながら裏切ったりして、相手がそれに気付いたと思えば、急に協調的に変更するようなプログラムもあったそうです。
ではこのなかでどのプログラムが最も利得を得られることができたのでしょうか?
「しっぺ返し戦略」がその答えでした
そうなんです、最も有効だったのは「しっぺ返し戦略」というものでした。
これは非常にシンプルなものです。
まず初回は相手に対して協力の姿勢を取ります。
そして次のラウンドからは、相手が前回のラウンドで選択したものと同じ姿勢をまねし続けるというものでした。
相手に裏切られたら、次のラウンドでは自分も裏切る。
相手が協調してきたら、次のラウンドでは自分も協調するというものです。
この単純なプログラムが優勝したそうなんですよ。
さらに多くの募集をかけて、62種類のプログラムでも対決したそうですが、それでも結果は一緒だったとのことです。
それを進化させ、たまに裏切られた後でも許し、協力するように改良したプログラムは、さらに得点を得ることができたとのことです。
実際の社会でも参考にすべきかもしれません
このような結果を踏まえ、ロバート・アクセルロッドはこの戦略を実社会においてもお勧めしているのでした。
そしてその中で強調されていたのが
・先ずは協調し、自分から先に裏切らないこと
・協調であれ、裏切りであれ、そっくり相手に返すこと
ということでした。
これは前回の賢いギバーのお話とも繋がってくるのですが、裏切られ続けているのに協調ばかりしていてはダメということですよね。
そうするとテイカーの人から搾取されるばかりになってしまうということです。
そして自己犠牲はダメですよということにもつながってきますね。
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自己犠牲は誰も幸せにしないのですぐやめた方が良いですよ
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だからうまく立ち回るには、基本は協調的にしつつ、相手によっては同じ態度を取ることも必要ということなんですね。
ただ進化版のプログラムであったように、時に相手を許すということも重要ってことですね。
それがまさしく
賢いギバーの振舞い方
ということになるようです。
自分が優しすぎるなと感じている方は、相手に対して試しにこのように振舞われてみてはいかがでしょうか?
もちろん協力的な人に対しては今まで通り協力的に接し、そうでないと感じた人に対してはそのように対応するということで。
もちろん相手に与えることは非常に重要な要素ですし、時に許すということも重要であることに間違いはありません。
しかし上記のような方法を取り入れることができれば、さらなる成功を引き寄せることができるかもしれませんよ。